社会不安障害は、全般性不安障害と比べると、不安の原因が対人間の場面に限られるという特徴があります。数人を相手にしたときや、対面での会話などを行うとき、極度に緊張したり、過剰に不安を感じたりします。
たとえば、大人数を前にして発表を行ったり、人前でスピーチをしたり、文字を書いたりするとき、あるいは接待が必要なときなどに症状が出ます。
一般的に、人は自然と緊張する場面がありますが、通常は緊張が高まっても体調を大きく崩したり、その場を逃げ出したりすることはないかと思います。
しかし、社会不安障害の場合は、緊張の度合いが極度に大きくなってしまうため、過度の緊張で手足や声が震え、体が硬直するような症状が出ます。他にも、冷や汗、動悸、吐き気、腹痛、息苦しさなど、体調不良と苦痛が伴います。
また、人から見られていることを極度に意識して「自分を良く見せなければならない」、「恥をかきたくない」「失敗できない」などと大きなプレッシャーを感じるため、そのような場面を避けようとする行動に出ます。緊張する場面が来ると想定すると、会社や学校に行けなくなってしまうこともあります。
これらの症状で、日常生活を送ることが困難になってしまうのが社会不安障害です。